大会観戦
大山空手の大会である。
先ほどのレポートから程なくして大山空手の創始者、大山茂総主もお見えになった。
入場と同時に会場総立ちで歓迎する観客を見て、総主の威厳というものを改めて感じた次第である。
大会は例年通り、型部門、組手部門がそれぞれ大人の部と子供の部に別れて行われる。
組手の試合は、殆どがセミ・ノックダウン形式だった。
安全性を考慮した、ヘッドギアやグローブ、臑サポーター等の防具を着用してのいわゆるフル・コンタクト形式は、ここアメリカでは流派を問わず幅広く取り入れられているもの。大人も子供も全力でぶつかり合い、殴る蹴る姿は迫力満点である。
そしてメイン・イベントの大人のフル・ノックダウントーナメントは、防具なしでの攻防。あいにく今年は参加者2名といささか寂しいものがあったが、さすがこのクラスに参加するだけあってしっかりと見せ場を作ってくれた。
トーナメント表やパンフレットが無かったため残念ながら両者の名前は分からないが、片方は胸に「極真会」の刺繍があったので、会場近くのヘンゾ・グレーシー(そう!あのグレーシー柔術で有名な)の道場で稽古している極真会の生徒さんだったと推測される。
片方の「極真会」の道着を着た選手は、ブルックリンのラウール先生のお弟子さんのジョシュ君。
もう片方はクイーンズのへっぽこ空手道場の高尾先生がセコンドについておられたので、たぶんそこの生徒さんだろう。
試合は開始早々に極真ファイターの上段回し蹴りが炸裂(写真)して技ありとなる。
その後も諦めず攻める大山ファイター。後半は下段回し蹴りを集中砲火し、もう少しで技ありが取り返せそうなところまで追いつめるが、一歩及ばず。残念ながら負けになってしまったが、本当にいい戦いをみせてくれた。
ところで、今回は判定基準の違いというものを改めて感じた。正直「あれれ???」と思う試合が多々あったのだ。
大 会前に配布されたルールブックは極真空手のそれと大差ないように読めたが、極真空手から別れて年月が経ったためかルールの解釈は随分異なっているようで、 判定基準には随分大きな開きがあるように思われた。こちらの大会に参戦するにはそれなりの研究と準備が必要だという事なのだろう。